僕は漫画賞に16回落ちた経験がある。
漫画賞と言っても、ネーム原作賞。
ネーム原作賞とは、漫画をペン入れせずに絵コンテ(漫画の下書きみたいなもの)で応募できるタイプの賞のこと。
ちなみに、僕が書いていたネームはこんな感じ。
僕は、絵がメチャクチャ下手だ。
だから、ストーリー重視で評価してくれるネーム原作賞に出していた。
ジャンルは、主に「ホラー・サスペンス」を描いた。
今、僕は22歳だから2~4年前の話になる。僕は18歳から20歳にかけての2年間で16作品描いた。
月刊少年マガジン、GAMNA!、ネーム大賞に投稿していた。月刊少年マガジンが主軸だった。その理由は、落選しても編集長から感想文が貰えたから。
この記事は、その編集長から頂いた感想文を元に、18歳~20歳にかけて僕がどんな物語を作っていたのか3つほど晒していく。
1つ目:始めて書いた作品『イロズ』
1作品目。当時、18歳と1カ月。
僕はブック太田というAV監督みたいなペンネームにしていた。
レモンハート中島のような「カタカナ+漢字」という組み合わせが、なんか好きだった。
『イロズ』のプロット(ストーリーの要約)はこんな感じ。
男子高校生二人(一人は赤峰。もう一人は青山)が行きつけの喫茶店で自作のダイスゲームをプレイ中。
突然に入店してきた頭にタイツを被った警察官が、青山を銃殺しようとするが、失敗。
警察官は逮捕される。
しかし、彼は赤峰が青山を殺すために雇った統合失調症の警察官だった。
後日、その事件があった喫茶店に行き、ヒロイン・黄倉と組み、自作のダイスゲームをしながら、赤峰は自分の手で青山を殺害。
赤峰と黄倉が青山を殺害する動機はなく、「ただ青山が死ぬ顔を見てみたかった。それも大好きなダイスゲームをしながら死ぬ様を」という興味本位だったというオチ。
編集長のご指摘通り、とってつけた感じのラストだったと思う。
2つ目:血迷った作品『異能の国のペ〇ス』
10作品目。当時、18歳と3カ月。
これはやばかった。(語彙力)
プロットはこんな感じ。
異能力者が独自国家を作ろうとする。
真っ白い閉鎖空間で、異能を無作為に一般人に与えた神と「異能者を見つけるための異能」を与えられた18歳高校中退の主人公が、回想を交えながら二人だけで会話。
主人公は記憶を失くし、真っ白い部屋の中央にある十字架を模した椅子に磔にされ、神から拷問に合っている。
なぜ拷問に合っているのか分からない主人公は、拷問に合いながら現実世界で犯した自分の罪を思い出す。
実は、主人公は、現実世界にいるすべての異能者を集めれば、神というポジションを与えられるのにも関わらず、幼い頃から抱えていた自分の特殊性癖を満たすために「異能力者を見つけるための異能」を使っていた。
例えば、氷の能力を持っている異能者の女性を探し、言葉巧みにパコりに誘う。
氷の能力を女性自身に使わせ、パコり後に「ヒヤヒヤに冷えた膣にぶち込んだったwwww」と発言する。
他にも闇の能力者、透明の能力者とパコり、「異能パッコパコ」を堪能。
その行為は罪でしかないと神は主人公に諭すが、反省の色を見せなかった。
本来使うべき用途で異能を使わなかった罪で主人公は処刑される。
最後に主人公が発した言葉は「逝ぐぅぅぅぅ」だった。
男性に幻滅した神は、女性の主人公を探し始めるというオチ。
うん。ひどすぎる...。
どの出版社も受け付けないであろう話を、月刊少年マガジンという純粋な少年誌に出し、当然のように落ちた。
編集長は「構成だけは巧みだ」と18歳の僕に教えてくれた。
3つ目:これはいけると思った作品『すみませんが、デスゲームを始めます。』
16作品目。 当時、20歳と1カ月。
ペンネームが本姓のマツウラになっている。
AV監督は諦めたらしい。
『すみませんが、デスゲームを始めます。』は編集長が感想を書いてくれた通りのあらすじ。
既存のデスゲーム漫画を逆説的に捉えて、プレイヤー側ではなく運営側を描いた。
そのアイデアは褒められたが、キャラクターが弱いと指摘された。
主人公のキャラ造詣をもっと深彫りすれば受賞に至っていたかもしれない。
最後に
僕は、もう漫画(ネーム原作)を描くことはないと思う。
全力で挑戦してみて漫画的な才能がないことがはっきりと分かった。
漫画を描くことを辞めることで、そこに使っていた労力を他に使うことができるようになる。
僕は、その労力を文章力を上げるために使うことにした。
今の僕は漫画(ネーム原作)ではなく、文章で結果を出したい。
下記が漫画賞(ネーム原作賞)に16回も落ちた証拠。
月刊少年マガジン14回落選。
(※一部、まだ使えるアイデアがあるので加工済み)
GANMA!黄金のネーム大賞1回落選。
第8回ネーム大賞審査辞退。
第9回ネーム大賞落選1回。
晒して何になるの?
という感じだが、晒すことで漫画の才能がない僕と決別することが出来ると思う。
以上。
ここまで読んでくれて、ありがとう。