Amazonで酷評されたデスゲーム漫画たちを実際に読み、デスゲームマンガ好きの僕がなるべく高評価にレビューした。
『拷問トーナメント』
小説投稿サイト・エブリスタでアオイセイ先生が発表した『拷問トーナメント』を原作にしたマンガ。
2017年9月21日から2018年11月21日まで刊行。
あらすじ。
ある日、高校生の太田俊輔は、駅で自分に瓜二つの男の自殺に出くわした。
その翌日、学校の帰り道に俊輔は拉致される。次に俊輔が目が覚めたのは、檻の中。
そこは、どちらの拷問吏が対象者に早く秘密を吐かせるかを競う”拷問トーナメント”の会場だった。
俊輔は”白の貴公子”として、”黒い月”と戦いを開始した!
Amazonには”読者への拷問”という皮肉や”時間を返してほしい”などの酷評が寄せられていた。
全4巻の評価はこう。
巻数 |
5段階評価 |
---|---|
第1巻 | 2.5 |
第2巻 | 2.5 |
第3巻 | 3 |
第4巻 | 2.5 |
「まぁまぁひどい」感じ。
以下は、僕の感想。
星は3だ。
作中の”拷問ゲーム”が刺激的。
拷問ゲームとは、拷問吏(=拷問するヒト)が被験者(=拷問されるヒト)を拷問して先に被験者の秘密を吐かせた方が勝利し、億単位の賞金が手に入るというルール。
作中では、”拷問バトル”とも呼ばれている。
第1巻の2人1組の拷問バトルで主人公と敵キャラが被験者を拷問し合うシーンは、徒競走のような早いもの勝ちに思える。
しかし、実はそうではなく、じわじわと責めてぽろっと秘密を言わせる持久戦だったオチが面白かった。
暴力的な拷問の描写が多い中でのセリフ「優しい嘘や甘い言葉も時には拷問になり得るんだ」が印象的。
第3巻の被験者3名を拷問吏3名が回し合いながら拷問バトルをする心理戦が良い。
最終4巻でいちばんの謎の「拷問トーナメントを開催した目的」が明かされることはなく、何も解決しないオチがひどいが、話の節々のアイデアは面白く思えた。
『デスゲーム飯』
『デスゲーム飯』は、アオイセイ先生の書き下ろし原作。
2019年4月20日に第1巻が発売されるも、それ以降音沙汰がない。
あらすじ。
世の中にデスゲームが溢れる現代―――。
お互いに名前も知らない男女や、高校のクラスメイト全員など、様々な人々が無理やり参加させられる命がけのゲーム。
1人また1人と減っていく壮絶な殺し合い……そんな死闘の最中でも、お腹は減るんです!
人間の性(さが)だから…。
密室、水攻め、無人島サバイバル…本邦初、極限のグルメ漫画!
Amazonには、”ひどい”や”落書きレベルでビックリする”などの書き込み。
全1巻(打ち切りぶつ切りEND)の評価はこう。
巻数 |
5段階評価 |
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第1巻 | 2.5 |
賛否両論という感じ。
以下は、僕の感想。
星4つだ。
連作短編形式で描かれて食レポを含んだデスゲームもの。
続刊が2年以上も出ておらず、恐らく打ち切り。
1巻には4遍収録。
デスゲームの最中、もしくはプレイ後に、空間にあるもので調理をし、食レポを始める。
顔面に刺された包丁を使ったり、水に浮いたトマトを拾って冷やし中華の具材にしたりなど、とんでもない展開ではあるが、 デスゲーム中にグルメ展開を描くという発想力は高評価。
前後編に分かれた『生贄投票はアフタヌーンティーの後で』は読切のサスペンス漫画として優れており、 貼られた伏線の回収が清々しい。
一風変わったデスゲームものとして、デスゲーム漫画好きは楽しめるはず。
コミック書き下ろしのマンガのため、掲載誌はなく、続話が読めないのが悲しい。
『監獄の楽園』
月刊コミックフラッパーの2014年2月号から11月号まで連載。
あらすじ。
いつもと同じ日常の中、誘拐された少女たち。
謎の監獄で命をかけて脱出を試みるが、卑劣な罠に次々と命を落としていく…。
そこへ犯人が姿を現し少女たちの命をもてあそぶ…!!
救いの手は届くのか!?
Amazonには”かなりつまらなかったです”や”一体何がしたかったのか”とコメント。
全2巻の評価はこう。
巻数 |
5段階評価 |
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第1巻 | 1.5 |
第2巻 | 1.5 |
「ひどい」かな。
以下は、僕の感想。
星は2だ。
端的に言えば、妹が病院で医療ミスにあって隠蔽されたので色んな人を巻き込んで主人公が院長に復讐した話。
怪しすぎる宗教法人が絡んだり、ドーピングされまくった怪物同然のヒトが出てきたりなど、B級ホラー・サスペンス好きにはたまらない流れ。
展開を盛り上げる要素のひとつとして、第1巻ではデスゲームっぽいことが行われる。
参加者は、ほぼ全員女子高生。
嗜虐性が高い読者にとっては、目隠しをされた上に縄で緊縛されてボールギャグを口に入れられた女子高生をたくさん拝めることが欲望を満たせて良いのではないだろうか。
正直、Amazonの評価は限りなく真実に近いと思う。
『王国ゲェム』
月刊コミック電撃大王の2013年6月号から2018年9月号まで途中に休載しながら連載。
あらすじ。
社会科見学に来ていた高校生7人――
男子3人と女子4人は、不思議な少女によってある“ゲーム”に強制参加させられる。
そのゲームとは、7人で一つの王国を形成し、一日おきに、王・貴族・平民がランダムで決められるというもの。
だが、ゲームのルールによてて、王は貴族と平民に、貴族は平民に対して絶対服従の命令ができることが分かり……
果たして7人は狂気のゲームから逃れられるのか!?
Amazonには”読む価値なし”という書き込みが2件も投稿され、”買う価値があるとも思えない”という意見も。
全5巻の評価。
巻数 |
5段階評価 |
---|---|
第1巻 | 3 |
第2巻 | 3.5 |
第3巻 | 3.5 |
第4巻 | 2.5 |
第5巻 | 2 |
「まぁまぁひどい」感じ。
以下が僕の感想。
星は3だ。
ゲームのルールがシンプルでわかりやすくて面白い。
<ルール>
・王・貴族・平民は毎日0時に身体に刻まれる。
・王は貴族と平民に命令ができる。
・平民は三人以上組めば革命を起こせる。
・全ての命令は、命令者が目に見える範囲にのみ適用される。
・領土が一定状になった王国は「王の手」と言う奇跡が付与される。
要は、リアル王国陣取りゲーム。
何よりも絵柄が可愛らしく、特に女性キャラたちのふっくらとした頬が良い。
2巻の同じチーム同士のマンションでの攻防戦、 4巻で登場したサイコパスな敵キャラが繰り広げる心理描写が印象的。
5巻では、ゾンビのような犬も出てきて「デスゲーム×ゾンビもの」が見事にマッチしていた。
オチのぶん投げ感は否めないが、そこに辿り着くまでの過程は面白味があった。
最後に
Amazonのレビューを漁っていく中で事実無根のひどすぎるレビューもたくさんあった。
デスゲームマンガに限った話ではないが、誹謗中傷同然の低評価に惑わされずに実際に作品を手に取ってみて自分自身で評価を下すことは大切だと思う。
今後もインターネットの書き込みだけを読んで納得するのではなく、他人の評価を真に受けずに自分で読んで作品を評価することを心がけたい。