才能の食べ方

雑記の才能について

才能の食べ方

彼女を捨てた話

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出会いはAmazonでした。

紺色の中央に金色で太めのボーダーが入ったワンピースを着た彼女に僕がビビッと一目惚れをしたのです。

「好きです」

僕は彼女に告白しました。

彼女は僕の家に告白から2日ほどで来てくれました。

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「私は一度だけの使い切り人生だから」

と彼女は僕に告げました。

しかし、僕は彼女に何度も何度も何度も思いをぶつけました。

僕が思いをぶつけるたびに彼女は汚れてしまうので、

まるで赤ちゃんをお風呂に入れるように彼女を懇切丁寧に洗って大切にしました。

その度に僕は彼女に「大好きです」と思いを伝えていました。

彼女はニコッと笑った後に「ありがとう」と言ってくれていたような気がします。

時には、友達のぺぺくんも家に招いて、遊んだりしました。

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とても楽しい日々だったことを覚えています。

ですが、僕に心変わりが起きます。

彼女に飽きたのです。

作業的に繰り返されるピストンと、幾度となく見た同じ天井と、体しかない関係性に僕は辟易したのです。

彼女と別れよう。

僕はそう思いました。

交際期間は、2020年11月から2021年4月までの約5ヶ月間でした。

どうせ捨てるなら彼女の中身を見てみたいと思いました。

それは単に興味でした。

紺色の中央に金色で太めのボーダーが入ったワンピースを無理やりに脱がすと、

病的に白い肌が露わになりました。

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彼女は嫌がることはせず、されるがままだったのを僕は覚えています。

僕は机の引き出しからハサミを取り出し、彼女の口角を切った後、広く大きく空いた口に指を突っ込んで動かしてみました。

イカ素手で触った時のようなヌメヌメとした感触がありました。

指でズボズボと探っているとイカの墨袋のようなものが出てきました。

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僕はソレをザクザクとハサミで切り刻みました。

スライムを使ったASMR系の動画で見たような何とも言えない心地よさを覚えました。

色も相まって「もしかしたら醤油をかけたらイカの刺身のようにイケるかもしれない」と思いました。

ですが、僕は彼女に醤油をかけて食べることはしませんでした。

彼女の中身はこうでした。

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無惨な姿に少しだけ寂しくなりました。

彼女との関係は僕の一目惚れが始まりでした。

結果的に、僕が飽きてしまいましたが、好きだったのは事実です。

彼女のぽっかりと空いた口を覗くと、奥にまるでビーズのようにちっぽけで小さな穴が空いていました。

僕はその穴をガムテープで塞ぎました。

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水がこぼれないようにするためです。

僕は彼女に水を飲ませてあげました。

まるで親が子に乳を与えるように。

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これで彼女は僕がいなくても4〜5日は生きれるはずです。

彼女は僕の家から出ない引きこもりでした。

外に出してあげ、草を食べさせてあげました。

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いつもは僕が作ったカルピスしか食べてなかったので、初めての野菜は新鮮だったと思います。

「さようなら。今までありがとう。幸せになってね」

最後にそう伝え、僕は彼女を室外機の上に置き去りにしました。

僕は、彼女を捨てました。