多島斗志之『罰ゲーム』
『少年たちのおだやかな日々』に収録。
『罰ゲーム』は友達の姉がサイコパスすぎる話。
ひょんなことから友達の家で友達の姉と「互いに2個のサイコロを振り合って出目が少ない方がお題をクリアしなければならない。」という単純明快なゲームすることになった主人公。
計10枚の紙(※10枚は両者が5枚の紙にお題を書いた合計数。紙はビニール袋に入っている。)をおみくじのように引いていくたびにお題がエスカレートする様にヒヤヒヤする。
オチの後味の悪さが格別。
白井智之『ちびまんとジャンボ』
『本格王2019』と『ミステリー・オーバードーズ』に収録。
『ちびまんとジャンボ』は人気女性フードファイターを殺した犯人を探す話。
大日本フナムシ食い王決定戦と称したの早食いバトル描写のエグさ。
フナムシをむしゃむしゃと食べるシーンを想像しただけで気分が悪くなる。
やたらとゲロ描写が多い。
人間を殺すために医学部に入ったキャラクターがおぞましすぎ。
渡辺優『ラスト・デイ』
『自由なサメと人間たちの夢』に収録。
『ラスト・デイ』は精神病院にぶち込まれた死にたい女の話。
あらゆる錠剤を組み合わせると絶対に死ねる奇跡のレシピが印象的。
そのレシピを主人公がマイメロっぽいキャラの袋にお守りのように入れていることにリアリティを感じる。
精神病院にぶち込んだ側の人たちのことをクズと呼ぶ描写が好き。
希死念慮(死にたさのこと)という四字熟語が高頻度で出てくる。
新堂冬樹『半蔵の黒子』
『吐きたいほど愛してる。』に収録。
『半蔵の黒子』は超自己中心的な低身長ハゲデブ男の話。
他に収録された短編が霞んでしまうほどに強烈。
毒島半蔵という勘違いがすぎるキャラクターのインパクトが強い。
半蔵の食事シーンに出てくるウジチャーハンが読書しながら嘔吐感を抱くほどに不快。
生理的な嫌悪感を文章で味わいたいひとへの一編。
浅井ラボ『ぶひぶひ♡だらだら』
『Strange Strange』に収録。
『ぶひぶひ♡だらだら』は、いじめ被害者が一生救われない話。
いじめ加害者は、主人公に廃工場で猫とホームレスの殺害を強要。
主人公が好意を抱いていたヒロインの四肢を切断。
ヒロインを瀕死寸前に追い込み、スイッチひとつで殺せるようにする。
そのスイッチを主人公に渡し、ヒロインの生殺与奪の権利を握らせる。
インターネットに接続すれば、配信画面で四肢がないヒロインが見れる。
全身を芋虫のように動かしながら水を啜り、糞尿を製造するだけのモノと化したヒロイン。
なぜか裁かれない、いじめ加害者。
そして、主人公は...。
絶望に次ぐ絶望の果てに絶望のオチ。
読後の疲れが凄まじくて絶対に読み返したくない一遍。
最後に
今後とも絶対に読み返したくないと思うほどにホラー・サスペンスでトラウマ級な短編小説を見つけたら追加していく。